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伺かアドベントカレンダー2016の12月10日の記事を掲載しているページです。

お気に入りのゴーストの追加トークをサプリメント形式で配布してみよう


この記事を理解するための推奨スキル
・ゴーストをいじれる方
・自他のゴーストにトークなどの追加をしてみたい方

この記事で得られるであろう知見
・サプリメントファイルを使用したゴーストへのファイル追加の方法

権利関係について

この記事では特に権利関係上の問題に詳しく触れるつもりはありません。
作者の許可を得ずに追加ファイルを配布することは法に触れます。一方でMODや二次創作が黙認されているケースもあります。
配布を行う場合は十分にご注意ください。

作者が良いと言えば良いし、駄目といえば駄目ということです。

トークを書きたいと思うときにファイルの改変が駄目で、二次創作がOKならばサプリメントではなく同媒体で別に二次創作として創るのもひとつでしょう。

記事の内容

「サプリメント」という形式のゴーストの追加ファイルについてご紹介します。
スクリプトには「里々」を使用していますが、「里々」でなければならないわけではありません。

1.構造を理解しよう

「サプリメント」は設定ファイルの「install.txt」とゴーストに追加するファイルやフォルダをあわせてzipファイルにしたものです。
ゴーストやバルーン、追加シェル同様に、narファイルとすることもできます。
サプリメントファイルの構成
[zipファイル]
- install.txt
- [追加するファイルとフォルダ]
install.txt にはインストール情報を記入します。
install.txt の書式
charset,Shift_JIS
type,supplement
name,(サプリメントの名前)
accept,(インストール対象の\0の名前)
nameにはサプリメント自体の名前を、acceptにはインストール先のゴーストのメインキャラの名前を指定します。
例えば私の「あおいリボンのあおいさん」というゴーストにファイルを追加するのであれば、メインキャラの名前は「あおいさん」なので、そのように書きます。

メインキャラの正しい名前を知りたいなら、そのゴーストの設定ファイル「ghost\master\descript.txt」の「sakura.name」の欄を確認します。
「あおいリボンのあおいさん」向けサプリメントのinstall.txt
charset,Shift_JIS
type,supplement
name,あおいさんにトークを追加するやつ
accept,あおいさん



2.実際に追加するファイルを用意しよう

実際に追加するファイルを用意してみます。
今回はランダムトークを追加してみようと思うので、追加先のゴーストの辞書と同じようにトークを書きます。
「あおいリボンのあおいさん」向けの追加トークの辞書として dic_talk_kanadelab.txt を用意してみます。
dic_talk_kanadelab.txt


:すき。

追加するファイルの内容について
今回は「あおいリボンのあおいさん」向けにランダムトークを追加しました。
このゴーストのランダムトークは「*」という文になっているのでそのようにしましたが、ゴーストによっては「*ランダムトーク」や「*トーク」などといった 名前になっているかもしれません。

サプリメントはトークを追加する仕組みではなく「ファイルを追加(上書き)する」仕組みですから、追加先のゴーストが追加したファイルを適切に扱えるようにする必要があります。

例えば、yayaというしおりで作られたゴーストにトークを追加するからといって里々の辞書を追加したところで、何も起きません。
また、すでに使われている(将来的に使われる)イベント名と同じ名前のイベントを追加してランダム分岐をさせてしまうと誤作動の原因にもなります。

追加すべきファイルの中身を、対象のゴーストの構成についてよく理解した上で作成しましょう。

サプリメントはインストールすると、ゴーストにそのまま上書きされます。
ランダムトークを追加するには里々の辞書として追加する必要があるため、「ghost\master」フォルダに配置する必要がありますので、同じ場所に配置します。
トークのファイルを追加した
[zipファイル]
- install.txt
- ghost
-- master
--- dic_talk_kanadelab.txt

注意
先程の説明の通り、サプリメントはファイルを上書きします。
ゴーストに元々入っていたファイルと同じ場所に同じ名前でファイルがある場合にはそれも上書きしてしまうので注意が必要です。
ファイルの名前に自分のIDを入れてみるなど名前がかぶらない工夫をすると良さそうです。



3.サプリメントをインストールしてみよう

サプリメントファイルを用意したら、SSPであればそれをゴーストにドロップすることでインストールできます。
ファイルが追加され、実際にゴーストに読み込まれることを確認しましょう。

ここまでの仕組みでサプリメントを作成することができました。
配布すれば同じゴーストに同様にドロップすることでファイルの追加が可能です。



4.工夫してみよう

さて、ゴーストにトークを追加するために、サプリメントはじつのところ融通の聞かない仕組みです。
しかしながらトークを追加することで言えばこれ以上に活用できる仕組みも今のところありません。
そこで、サプリメントを創る側で何か工夫できることは無いかと考えてみました。

たとえば
サプリメントをアンインストールできるようにするために、同じ構成で何も書いていないテキストファイルが入ったサプリメントを用意する。

(サプリメントは導入することで上書きされますから、何もないファイルで上書きすることで事実上アンインストールすることになります。)

たとえば
追加したトークの作者が元々の作者と異なることが分かるように、バルーンに小さく目印や作者名を表示する。

たとえば
名前が被らないように、トークや変数の名前にもIDを含めるようにしてみる。



5.最後に

ここまで読んで頂きありがとうございました。

サプリメントなどゴーストへのファイルの追加はトラブルの原因になることがしばしばありますが、
私個人はゴースト作者として、「私のゴーストと私は他人だから、私の意識しないことを喋ったりしてもいいよね」という想いでトークや触り反応を他の方にも書いてもらいたいなと思っています。
アドベントカレンダーの場をお借りして、「こういうことができる」ということを紹介することで
サプリメントというゴーストにファイルを追加する仕組み自体や、それに対するゴースト作者の方の意思表明が活発になればいいなと思って記事を書きました。

この機能が平和的に楽しく活用されることを願ってやみません。

お借りした素材
下記の素材をお借りしました。ありがとうございました。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=52766818
http://nore.bake-neko.net/shell.html
参考資料
http://www2.wbs.ne.jp/~dskoba/database/install.html#supplement