里々じゃなくても、シェル作者さん向けのさとりすとの使い方。
この記事を理解するための推奨スキル
・ゴーストのシェルを作成したことがある方
・surfaces.txt の基本的な書き方(elementやcollisionなど)が分かる方
この記事で得られるであろう知見
・さとりすとを使ったゴーストのさわり判定の作り方
・さとりすとのサーフェスビューワ・サーフェスパレットに対応したシェルの作り方
記事の内容
里々ゴーストエディタ「さとりすと」でゴーストのさわり判定をつくってみます。
それと、さとりすとでゴーストを作る人が便利になるようなシェル側の設定にも軽く触れています。
里々を扱える必要は特にありません。
1.前準備しよう
里々ゴーストエディタ「さとりすと」を導入しましょう。
既に導入していたら、ここは飛ばしても良いです。
里々ゴーストエディタ「さとりすと」は里々で作られたゴーストを編集するためのツールです。
が、今回は里々は抜きにしてシェル作者さんに向けた機能を紹介していきます。
こちらのサイトからさとりすとをダウンロードして、解凍して、satori_editor.exeを起動しましょう。
初回起動では編集スタイルを尋ねられますが、里々をいじらないのであれば適当に選択して構いません。
さとりすとの基本操作
2.シェルを読み込もう
さとりすとでシェルを読み込みましょう。
さとりすとの「表示」メニューから「サーフェスビューワ」をクリックすると、サーフェスビューワが表示されます。
サーフェスビューワの「シェル」メニューから「シェルを読み込む」をクリックしてください。
シェルを選択するウインドウが表示されます。
通常、ここでは里々ゴーストを読み込んでいる場合はそのゴーストのシェルがリストアップされますが、
今回はゴーストを読み込んでいないので、直接シェルのフォルダのアドレスを貼り付けましょう。
シェルフォルダの指定方法
注意
さとりすとでは、シェルの定義(descript.txt や surfaces.txt)にミスがあると、読み込むことができません。
また、基本的な機能にしか対応していないため、SSPと較べて複雑な表現は正しく表示されません。
(詳しくは「ベータ版について」をクリックしてみてください。)
シェルを正しく読み込むことができれば、サーフェスビューワにサーフェス番号のリストが表示されます。
番号をクリックすれば、立ち絵を表示することができます。
立ち絵を表示してみよう
3.さわり判定を作成しよう
サーフェスビューワでサーフェスを表示したら、さとりすとのメニューから「さわり判定座標の作成」をクリックして機能を表示させます。
一番上の「機能を有効にする」にチェックをいれてからサーフェスビューワの画像の上でドラッグしてみてください。
白い長方形を作成することができます。
右ドラッグで範囲の移動、ホイールクリックで選択のキャンセルができるので、範囲を決めてみましょう。
さわり判定領域を作ってみよう
さわり判定座標の作成機能に範囲の情報が作成されていますので「クリップボードにコピー」をクリックしてsurfaces.txtに貼り付けましょう。
「ID」と、「*」はそれぞれさわり判定IDと、番号に置き換えれば、これでさわり判定の出来上がりです。
collision*,126,216,123,12,ID
↓ ID と * を置き換えます。
collision0,126,216,123,12,head
この他、collisionex形式で、楕円や多角形も作成できます。
collisionexについてわからなくても、collision同様に作成されたデータの「ID」と「*」を置き換えるだけで良いので、すぐに使えます。
楕円だとこういう感じですが、矩形(長方形)のときと対して変わりません。
collisionex*,ID,ellipse,74,173,151,218
↓ ID と * を置き換えます。
collisionex0,head,ellipse,74,173,151,218
4.サーフェスパレットに対応しよう
今度はシェルを作る人というよりも、さとりすとでゴーストを作る人に便利な「サーフェスパレット」のご紹介です。
この機能はひと目でどのサーフェス番号がどの表情か分かる機能です。
自分でシェルを作って使うときや、シェルを公開するときには予めさとりすとに対応させておくことで、「そのままさとりすとで使えるシェル」にすることができます。
サーフェスパレットの理想
ただし、なにも設定をしていないと、こういう残念な感じになります。
サーフェスパレットの現実
そういうわけですから、「サーフェスパレット」に対応する情報をシェルに設定しましょう。
surfaces.txt を開いてみてください。
とりあえず、surfaces.txtの一番上に次の行を書き足してみてください。
「//」から始まるので、意味のない記述に思われるかもしれませんが、「//」を含むのが正しい記述です。
無効化したい場合はさらに「//」を追加して、「////」で書き始めます。
//satolist.palette.offset,50,100
これを書き足してsurfaces.txt を保存してから、サーフェスパレットの「シェル」メニューの「シェルをリロード」をクリックすると、シェルが更新されます。
こんな感じに、切り抜きの場所が変わったかと思います。
Before → After
さきほど追加してもらった記述には、これだけの量をずらして表示しなさいという意味があります。
あとはシェルに合わせて変更すると綺麗に表示できるでしょう。
//satolist.palette.offset,X座標,Y座標
さて、ここで複数のポーズや複数のキャラクターがあるとそれぞれずらしたい量が違ってうまく表示できないという問題が発生しているかもしれません。
そういうときは、surfaceブレスの中に直接書きます。
surfaces.txt の一番上に書いた記述は全体に適用されますが、それぞれのsurfaceブレスに書いた記述がある場合にはそちらが優先されます。
surface10
{
//satolist.palette.offset,X座標,Y座標
}
うまく表情が分かる位置を表示できるようになりましたか?
次に、アニメーションとして使うものの表情ではないきせかえパーツが表示されてしまって邪魔な場合の対処法をご紹介します。
例えば、surface4を表示しないようにしたいなら、次のように書きます。
surface4
{
//satolist.palette.visible,0
}
0の部分を1にすれば「表示する」ということにもできます。
さらに先ほどに表示位置の設定と同様にsurfaces.txtの一番上に書いて全体に影響させることもできるので、
この1行を一番上に書いてから、それぞれ表示したいサーフェスだけ表示するようにしてもいいかもしれません。
//satolist.palette.visible,0
この他にもいくつかのさとりすと用設定を surfaces.txtにすることができます。
詳しくは、さとりすとの解説サイト「さとりすとwiki」を確認すると良いでしょう。
こんな感じです!
さとりすとはあんまりシェルの再現性は高くないのですが、こういったことができるので、役立てて貰えたらなぁと思います。
ここまでよんでくださって、ありがとうございました。
おまけ:私のキャラクターのつくりかた。
この記事を理解するための推奨スキル
とくになし
この記事で得られるであろう知見
・キャラクターを作る1つの考え方
おまけ記事です。
以前、いろんな方がtwitterでキャラクターの作り方を出されていて、自分も書いたりしたのですが、140文字ではやっぱりすくないので改めてここでご紹介をと思いまして。
1.キャラクターを作る目標
私はだいたい、こんな感じで作っています。
・「自分がそのキャラクターと触れ合って楽しいこと」
キャラクターを友人・彼女・嫁、または彼氏や夫にした時に楽しいものがいい! とか、こういう子と一緒にいたい! というところですね。
その他、よくアドベンチャーゲームで感じるキャラクターとユーザの間にある「主人公」という壁もなくしたくて、直接自分自身とキャラクターがコミュニケーションするという距離感を大切にしています。
例えば私のキャラクターはこういった想いを込めてつくりました。
「奏でる日常の音色」
紅茶やお菓子を楽しみながらいっしょにくつろげる女の子が欲しかった。
「あおいリボンのあおいさん」
重い愛でリードしてくれて、無言でぴったりとくっついてくるすこしぶっきらぼうな女の子が欲しかった。
2.キャラクター作り方
とても単純で、「理想のキャラクター像」を思い浮かべれば良いので、ここはある意味では簡単です。
「理想のキャラクター像」に相反する2つの属性があるときには少々ややこしくなりますが…。
・どんな性格?
・一人称は?
・自分とはどんな関係?
・自分になにをしてくれる?
3.この方法のメリットとデメリット
メリット
・自分の欲しいものを実現できる。愛着が強い。
・トークや反応が「自分にかけてほしい言葉」からなるので思いつきやすい。
・公開すれば他人と「好きな属性」を楽しめる。
デメリット(人を選ぶところ?)
・自分の好き嫌いで構成されるので、流行りや人気になる要素が含まれるとは限らず、独りよがりになりがち。
・シリアスな話にしずらく、「都合の良いキャラクター」になりがち。
・世界観についての情報が乏しくなることが多い。